福田実の本音
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NEW:2004.03.01

 激痛の中で毎日生きるってつらいですよね。
 手紙や読者カードの中にそういう人達がいっぱいいるんです。だから俺も生きていられるわけです。闘病者、障害者の「ガンバッテ」はエール交換なんですよ。俺も私もこんなに苦しいけど、「こっちも頑張っているから、お前もガンバレ」っていうエールが入ってるんで重いんです。闘病生活に入って初めて理解できました。
 俺をずっと支えてくれた人がいます。大阪の2つ上の女性で、その人も障害があって大変な体なんですが前向きなんですよ。本を出してすぐに手紙をいただいて今も交流が続いています。この人、俺よりすごいな、と本音で思いました。手紙に書かれた一文字一文字が重くて深くて、今の俺にとっては“女神”ですかね。
 外出できなくなっても今、前向きにいられるのはこの女性のおかげです。きっと神が引き会わせてくれたんだと感謝しています。編集担当者の友達の方が以前メールをくれたことがあって、その中で言ってくれた言葉を思い出します。エイベックスの会長が言ってたらしいです。『三流は金を残し、二流は仕事を残し、一流は人を残す』。
 人間の流れからいけばそれが本質です。自分が生きて次の人の為に人を残し死んでいく。カッコイイ生き様だと感心して聞いていました。
 一生懸命生きて、本気で女性を愛して、己を磨いて次の人間を残す。仕事も金も無くなった今の俺にできる事は、薬害認定裁判を公開して本に残す事と、親として男として責任を果たす事です。そして自分の子供と本を読んでくれた人達に少しでも俺が本気で生きてきたという生き様が参考になれば、この地獄のど真ん中の闘病生活も意味があります。
 最近“感謝”の意味もわかってきました。
 本当、自分ではどうしようもなくて体が痛くて働けないんで感謝してしまうんです。どこまで突っ走れるかわかりませんが、一日一日全力を出しきった心と体の戦いを、次の本に残しておきます。
 良かったら読んで下さい。気合い入ってます。
 話変わってこの間、昔登った北アルプスの絵ハガキを福井の読者の方から送っていただきました。たぶんミキグループの方だと思います、封筒がそうでしたから。ミキグループの方はいつも心ある手紙を送って下さるのです。
 外出できなくなって一枚の写真、一枚の絵ハガキがどれだけ心のリフレッシュになるかわかりました。今まで絵ハガキをこんなに感慨深く見た事はありません。
 先日、ハワイとシカゴの読者の方からもカードいただきまして、エアメールで返事を出したらハワイの方からまた写真を送っていただきました。自分が外出できないので嬉しかったです。動けず家の中にいると暗くなりがちですが、やはり読者の方は違うなと思いました。いろいろ細かい心配りをして下さり、また、日本中の健康食品がたくさん届きました。すごいなと思いました。一本何万円もする商品なのに金は要らないとか、良かったらまた送るとか、法人個人を問わず届けて下さいます。心ある長い手紙を読んでいると、みなさん商売抜きで本気で心配し、応援して下さっているのがよくわかりました。ありがとうございます。感謝して飲ませていただいています。北海道から沖縄、そしてシカゴ、ハワイと、本心から応援して下さる方々の思いに支えられて生きています。
 男40歳、福田実、日本人の心がこれほどあったかいものである事を初めて知りました。
 クレームは最大のチャンスです。働いていたころから、いつもクレーム処理をすすんで行なってきたのは、クレームのお客さんは関心が高くレベルが高いためです。
 次の本でも俺が本物かどこまで命賭けてるのか、クレームつけた読者も必ず読んでくれると思います。似た者や素直でない人間は一回突き放します。そこで踏み込んで買ってもらった人はいっぱいいたんで、いつも逃げないんです。それでも読みたくないやつは読まなくていいと思ってます。
 ただ、今、日本中から送られてくる手紙・FAX・メール・読者カードの中には、俺と同じようにとんでもない医者の治療を受けた人達がいっぱいいるんです。それを全てオープンにしていければと思います。薬害認定裁判、医療過誤、その背景にはふざけた国と医者と製薬会社の怠慢がある事が730通の手紙と読者カードからよく理解できました。
 若い人には関係ない、関心ない問題かもしれませんが、情報あったら何でもいいです。メール下さい。本当に多くの方が亡くなっています。それを泣き寝入りする事はありません。
 私の裁判が、本が、日本中の怒りの導火線になればと思います。

 シカゴの読者の方が言っていましたが、アメリカであれば、私の裁判は弁護士がわれ先にと競い合い、テレビでは独占権を争うほどニュース性があり、裁判の結果も勝利確実、とのことでした。
 日本でも、いつまでも島国根性丸出しの意見を聞いていては駄目です。
 事実であり、そして正義である国民の声が認められなければおかしいのです。
 私たち患者が黙っているから、そして声をあげても黙殺される制度があるから、国も医者も製薬会社もいい気になって、何様かと思えるような意見を平気で言ってくるのです。私の本についての酷評にしても、世の中を見ずに一方的な意見で、決して患者側に立った意見ではありません。
 患者の意見を、そして人の命を何だと思っているんだ、ふざけるな! そういう感情を爆発させましょう。私の導火線は消えません。みなさん、一緒に思いを吐き出して下さい。




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